ナマハゲ
秋田県では子供の躾としてナマハゲが定番です。
ナマハゲは、秋田県男鹿市(男鹿半島周辺)で行われている正月の伝統的な民俗行事です。(現在は大晦日に行なわれています) 鬼の仮面をつけて藁の衣装をまとったナマハゲと呼ばれる神様(来訪神)が、家々を巡って厄払いしたり、怠け者を戒めたりする独特な風習です。国の重要無形民俗文化財に指定されています。2018年には「来訪神:仮面・仮装の神々」の構成資産としてユネスコの無形文化遺産にも登録されました。
ナマハゲとは?
来訪神とは、年に一度、決まった時期に人間の世界にやって来るという神様のことです。秋田県ではナマハゲに似た行事が、能代市の「ナゴメハギ」、秋田市の「ヤマハゲ」、にかほ市の「アマノハギ」などがあり、北は八峰町から南はにかほ市までの海岸地帯に広く見られます。
ナマハゲ行事の概要
ナマハゲは、「ナモミを剥ぎ取る」という言葉が転訛したものです。「ナモミ」とは、男鹿半島の古い言葉で、火に長くあたっていると皮膚にできる赤いまだら模様の「火斑(火だこ)」のことです。ナモミは、冬の間、仕事もしないで長い時間、囲炉裏やコタツに当っていたという「怠惰」の象徴です。ナマハゲには「怠け者を戒める」という意味があります。ちなみにナマハゲが持っている出刃包丁はナモミを剥ぎ取るためのもので、桶は剥ぎ取ったナモミを入れるための容器です。
12月31日の夜、ナマハゲに扮した村人が家々を訪れて「泣く子はいねがー」「悪い子はいねがー」と大声で叫びながら、家の中に入って子供や怠け者を探しまわります。秋田県ではナマハゲは子供の教育手段として理解されています。親は子供に対してナマハゲによる強い恐怖体験を記憶させて、「悪いことをするとナマハゲにくれてしまうぞ」と親が子供に言い聞かせて躾をしました。
ナマハゲを迎える家では、家主はナマハゲに料理と酒をもてなしながら、今年一年の作物の収穫状況や家族の行動について問答を交わして行事は終了します。
<ナマハゲにまつわる観光スポット>
なまはげ立像
男鹿総合観光案内所(通称、なまはげ案内所)の前には、高さ15mの巨大なナマハゲのモニュメントがあります。男鹿半島周辺の至る所でナマハゲのモニュメントや橋の欄干、看板などがたくさんあります。
男鹿真山伝承館・なまはげ館
「男鹿真山伝承館」では、大晦日の晩に男鹿半島全域で行われるナマハゲの民俗行事を観光客のためにいつでも再現・実演しています。また、隣接の「なまはげ館」では、男鹿半島の多種多様なナマハゲの仮面が150枚以上展示しています。ナマハゲの仮面や衣装を身につけて記念撮影もできます。
なまはげ柴灯まつり
「なまはげ柴灯(せど)まつり」は、毎年2月の第2金・土・日の3日間、男鹿市に鎮座する「真山(しんざん)神社」の境内で開催されます。東北地方の五大雪まつりのひとつで、男鹿市の各集落からナマハゲが集合します。ナマハゲは集落によって仮面の形が違います。焚き上げられた柴灯火のもとで、伝統行事の再現、「なまはげ太鼓」や「なまはげ踊り」、クライマックスの「なまはげ下山」などが行われます。
なまはげ館までのアクセス
JR東京駅からJR秋田駅まで秋田新幹線で約4時間。JR秋田駅からJR男鹿駅まで約1時間。 JR男鹿駅から なまはげ館までシャトルバスで約25分。
※シャトルバスは予約制(前日までに要予約)
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