裏磐梯(磐梯高原)
裏磐梯は磐梯山を中心にたくさんの湖沼の景観が素晴らしい高原です。磐梯高原から猪苗代湖に抜ける磐梯山ゴールドラインのドライブはとても爽快でした!
福島県のほぼ中央に位置する磐梯山(標高1816m)は、806年と1888年に噴火した記録が残っています。1888年の噴火は大規模な水蒸気爆発で、4つあった峰の1つが吹き飛ばされて、岩屑なだれを引き起こし、北麓の桧原(ひばら)村(現・北塩原村)方面を襲い、3つの集落が埋没しました。磐梯山の噴火は多くの犠牲者を出しましたが、その反面美しい景観をつくり出して、桧原湖、小野川湖、秋元湖、五色沼など、約300の湖沼群などが出来上がり、毎年たくさんの観光客やレジャー客が訪れています。
ちなみに、猪苗代湖がある磐梯山の南麓を「表磐梯」、約300の湖沼群がある磐梯山の北麓(「磐梯高原」)を「裏磐梯」と呼んでいます。桧原湖、小野川湖、秋元湖は「裏磐梯三湖」といわれていて、これらの湖に挟まれて点在する大小30余りの湖沼群を総称して五色沼と呼んでいます。
桧原湖は南北18km、東西1km、周囲32kmの裏磐梯でもっとも大きな湖です。桧原湖には散策路が整備されていているほか、湖上から遊覧船で磐梯高原の景色を楽しむことができます。また、キャンプやバスフィッシング、冬季では氷結した湖上でのワカサギ釣りなど、アウトドアやレジャースポットとして人気があります。
五色沼は、毘沙門沼・赤沼・弁天沼・るり沼・青沼など、大小30余りの湖沼の総称で、名前のとおり、赤銅色・コバルトブルー・エメラルドグリーンなど、四季や天候、時間、見る角度によって様々な色彩を変化させてくれます。五色沼には探勝路が整備されているので、1時間くらいのハイキングで絶景が気軽に楽しめます。
磐梯山ゴールドラインは、磐梯山の西側を磐梯高原から猪苗代まで抜ける全長約17kmの観光道路です。磐梯山の火口壁が見られる「こがね平」や磐梯山と猪苗代湖が同時に見られる「山湖台」など、沿道にはビュースポットが点在しています。
猫魔ヶ岳(標高1404m)の火山湖である「雄国沼」の周辺には、6月下旬から7月上旬にかけてレンゲツツジの群落やニッコウキスゲの大群落があることでも知られていて、この時期には多くのハイカーやカメラマンが雄国沼を訪れています。
猫魔ヶ岳には、麓に下りて娘をさらうという「化け猫伝説(猫又伝説)」が残っていて、そのまま山の名前になっています。山頂の近くには、弘法大師が化け猫を封印したという猫石があります。猫魔ヶ岳の登山は、磐梯山ゴールドラインの八方台ルートと雄国沼から登るルートがあります。
裏磐梯の美しい景観は、明治時代(1888年)の磐梯山の噴火によってもたらされましたが、多くの犠牲の上に築かれていることを忘れないために、磐梯山の噴火100年を記念して1988年に開館したのが「磐梯山噴火記念館」です。桧原湖や五色沼を散策する前に行っておきたい火山の博物館です。
裏磐梯の桜の名所・桜峠には、約3000本のオオヤマサクラがゴールデンウィーク前後に見頃を迎えます。
裏磐梯ビジターセンターまでのアクセス
JR東京駅からJR郡山駅まで東北新幹線で約1時間20分。JR郡山駅でJR磐越西線に乗り換えてJR猪苗代駅まで約40分。JR猪苗代駅下車、JR猪苗代駅バス乗り場から五色沼入口バス停まで路線バス(磐梯高原線)で約30分。裏磐梯ビジターセンターから毘沙門沼まで徒歩約5分。
磐梯山噴火記念館までのアクセス
JR猪苗代駅下車、JR猪苗代駅バス乗り場から磐梯山噴火記念館前バス停まで路線バス(磐梯高原線)で約35分。
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