黒部峡谷
黒部峡谷のトロッコ列車に乗る前に見どころをチェックしたよ!黒部峡谷沿線の定番スポット8選!
黒部峡谷は、富山県・岐阜県・長野県・新潟県の4県にまたがる飛騨山脈(通称、北アルプス)で、その中でも富山県の東部に流れる黒部川の中流から上流部にある日本で最も険しい大規模なV字形の谷です。黒部峡谷には、トロッコ列車が走っています。「トロッコ」とは、工事現場から土砂や石などを運搬する貨車のことで、英語のトラックが語源です。
黒部峡谷鉄道
黒部峡谷のトロッコ列車は、もともと1923年からダム建設の資材を運搬する作業用列車として運行していました。1953年からは旅客用列車としても運行するようになりました。沿線には合計10駅がありますが、乗降できる駅は、始発の「宇奈月(うなづき)駅」、「黒薙(くろなぎ)駅」、「鐘釣(かねつり)駅」、そして終点の「欅平(けやきだいら)駅」の4駅です。それ以外の駅は、発電所やダムの関係者が乗降する駅なので通過するだけです。宇奈月駅から欅平駅までの走行距離は20.1km、所要時間は片道約1時間20分です。41本のトンネルをくぐり、21本の橋を渡ります。
トロッコ列車の客車には、無蓋車に簡便な雨除けの付いた車両と屋根とガラス窓がついた豪華な車両があります。
新山彦橋
宇奈月駅を出発してトロッコ列車が最初に渡る赤い鉄橋が「新山彦橋」です。列車の音が「やまびこ」となって温泉街に響き渡るので、この名前がつきました。すぐ横にある赤い橋は、かつてトロッコ電車の軌道だった「山彦橋」で、現在は遊歩道の一部になっています。宇奈月駅の発着時刻を確認しておくと、新山彦橋を渡るトロッコ列車が撮影できます。
猿専用の橋
ダム建設後、貯水しても猿が対岸に渡れるよう猿専用の橋が作られました。車窓からの見学です。
宇奈月湖
うなづき湖の湖畔には、西洋の城をイメージにした水力発電所があります。発電所の近くには駅がありますが、発電所やダムで作業する人たちの専用駅なので乗降することができません。車窓からの見学です。
後曳橋
黒薙駅ホームの一部は黒薙川に架かる鉄橋「後曳橋」の上にあります。後曳橋は、人を寄せつけない深く険しい谷に架かる青い橋です。高さ60m、長さ64m。谷を見下ろすと思わず後ずさりしてしまうほどの深い谷なので、後曳橋と名付けられました。
万年雪展望台
鐘釣駅を下車してすぐに「万年雪展望台」があります。黒部川を挟んだ対岸にある山に降った雪が雪崩となって堆積して、次の冬になって新しい雪が降るまで残っているので万年雪と呼ばれています。毎年5月頃までは雪の量が多いです。
鐘釣温泉の露天風呂
鐘釣駅から階段を下りた河原には鐘釣温泉の露天風呂があります。すぐ目の前には黒部川が流れています。どこを掘っても温泉が湧き出るので、自分だけの露天風呂を作って楽しむことができますが、たくさんの観光客が鐘釣温泉までやって来るので、ほとんどの人は足湯を楽しんでいます。
猿飛峡
欅平駅から約30分歩いたところに「猿飛峡」があります。猿飛峡は黒部川本流の中で最も川幅が狭く、猿が飛び越えられるくらいの川幅なので、猿飛峡と名付けられました。黒部峡谷の代表的な景観で、特別名勝・特別天然記念物に指定されています。
人喰岩
終点・欅平駅を下車。奥鐘橋を渡ったすぐに「人喰岩」があります。張り出した岩壁が、まるで大きな口を開けて歩く人を飲み込んでいるように見えるので、人喰岩と呼ばれています。安全のためにヘルメットが用意されています。人喰岩から祖母谷川を沿って、さらに奥へ進むと「祖母谷地獄(ばばだにじごく)」「祖母谷温泉(ばばだにおんせん)」があります。祖母谷エリアはいたるところで地面から温泉の湯気が吹き上がっていて、まるで地獄のような雰囲気です。
黒部ルート
欅平駅と黒部ダムの間には、黒部ルートと呼ばれる全区間(約18km)がほぼトンネルの輸送路があります。このトンネルは、黒部川第四発電所や第三発電所の建設のために掘削されたトンネルですが、現在も発電施設の保守や資材運搬のために鉄道や作業用ケーブルカー(インクライン)が稼働しています。関西電力では、多くの人に水力発電事業を知ってもらうために黒部ルート見学会を開催しています。
黒部峡谷鉄道宇奈月駅までのアクセス
東京から
JR東京駅からJR黒部宇奈月温泉駅まで北陸新幹線で約2時間30分、JR黒部宇奈月温泉駅下車。JR黒部宇奈月温泉駅から富山地鉄新黒部駅まで徒歩約5分。富山地鉄新黒部駅から富山地鉄宇奈月温泉駅まで約25分、富山地鉄宇奈月温泉駅下車、黒部峡谷鉄道宇奈月駅まで徒歩約5分。
大阪から
JR新大阪駅からJR敦賀駅までJR東海道本線(特急)で約1時間20分。JR敦賀駅で北陸新幹線に乗り換えてJR黒部宇奈月温泉駅まで約1時間40分。
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