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カワセミ水族館のイラスト

猪苗代カワセミ水族館

2023/01/20

カワセミ水族館なのに、カワセミがいなかった過去

「カワセミ水族館」は、福島県猪苗代町にある自然公園「緑の村」にある水族館です。福島県に生息する淡水魚や水生昆虫を中心にカワセミ、カワガラス、カワウソなど、普段なかなか見ることができない水辺の生き物たちを、生息環境を再現して展示しています。

カワセミ水族館の名前の由来

カワセミ水族館(カワセミのイラスト)

1989年、カワセミ水族館は、「緑の村」と共に「いなわしろ淡水魚館」として開館しました。2015年から「アクアマリンふくしま」を運営している「ふくしま海洋科学館」に運営を委託して、「アクアマリンいなわしろカワセミ水族館」に名前を変更しました。

カワセミの捕獲

カワセミを冠した水族館の名前について面白いエピソードがあります。カワセミ水族館がリニューアルオープンした時、水族館の名前に魅かれ、カワセミを見るために、たくさんのお客さんが来館しました。しかし、カワセミの展示はありませんでした。「カワセミはいないけどカワウソはいるよ!」という自虐的なキャッチフレーズでも宣伝していました。辛口な意見もたくさん寄せられたこともあって、2018年から猪苗代周辺の河川で捕獲したカワセミ、カワガラス、キセキレイなどの野鳥の展示を始めました。

カワセミの漢字表記(翡翠・鴗・川蝉・川背美)の図

水族館がある「緑の村」でも実際にカワセミは見られますが、カワセミ水族館の名前の由来は、緑の村の「緑」にちなんで名づけられました。(なので、当初、カワセミは展示されませんでした) 緑は翡翠の色にも例えられますが、カワセミを漢字で書くと「翡翠」になります。ヒスイと同じ漢字を使います。翡はオス、翠はメスのカワセミを表わし、メスとオスで翡翠です。 宝石の翡翠(ヒスイ)はカワセミの羽の色からつけられたもので、鳥の名前の方が先です。また、「川に棲んでいるセミ」ということでカワセミになりましたが、カワセミの古名は「ソニ(鴗)」です。ソニが変化してセミになりました。漢字の「川蝉」は音からの当て字です。川に棲む背が美しい鳥という説(川背美)もあるようです。

カワウソのふち

カワセミ水族館 カワウソのふち

2012年、二ホンカワウソは絶滅しました。1950年代まで猪苗代湖にもカワウソは生息していました。「福島の湖沼群を通して人と地球の未来を考える」「猪苗代湖の生態系モデルをつくる」ことをコンセプトに、カワセミ水族館では、二ホンカワウソと遺伝的にとても近いユーラシアカワウソを飼育・展示しています。飼育員がカワウソの生態を解説しながら、10時と15時に餌やりの実演が見学できます。エサを食べるカワウソの可愛らしい表情が間近で見られます。水族館内で一番人気のイベントです。

おもしろ箱水族館

カワセミ水族館 展示コーナー(おもしろ箱水族館)

絶滅が危惧されている希少な淡水魚を、水槽の中に生息環境を再現して展示しています。小さな水槽が90個ほどあって、タガメやゲンゴロウなどの水生昆虫やカエルやサンショウウオなどの両生類も多数展示しています。

釣り堀(釣り体験)

カワセミ水族館 釣り堀体験のイラスト

カワセミ水族館には、ニジマスの釣り堀があって、釣ったニジマスは唐揚げにしてその場で食べることができます。調理の様子が窓から見ることができるので、釣ったばかりの生きているニジマスが調理されていく過程を見ながら、生き物の命をいただく大切さを学べるという体験ができます。水族館のパンフレットには「命をいただく釣り体験コーナー」と掲載されています。

 

この記事を書いた人

どもども

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