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門司赤煉瓦プレイス

門司赤煉瓦プレイス

2025/03/09

赤煉瓦の建物は門司港レトロ地区だけではありません。門司赤煉瓦プレイスの最寄駅は門司港駅ではなく門司駅です。

門司赤煉瓦プレイスは、福岡県北九州市門司区、JR門司駅から徒歩3分の場所にあるサッポロビールの旧九州工場を活用した複合施設で、ミュージアム、ギャラリー、レストランなどがあります。北九州市の赤煉瓦の建物といえば、JR門司港駅を中心としたエリア「門司港レトロ地区」が有名ですが、門司赤煉瓦プレイスも同様に煉瓦造の建物が残る観光スポットです。

門司赤煉瓦プレイス旧倉庫棟

旧サッポロビール九州工場は2000年までビール醸造所として稼働していて、1913年建築の「事務所棟(門司麦酒煉瓦館)」「旧醸造棟」「旧倉庫棟」、1917年建築の「旧組合棟」の4棟の煉瓦造の建物が現存しています。このビール工場は、帝国麦酒、桜麦酒、大日本麦酒、日本麦酒、サッポロビールと社名を変え、合併、統合、分割を経て、87年にわたってこの地でビール製造の歴史を刻んできましたが、大分県日田市に九州新工場が建設されたのを機に閉鎖されました。建物群は、大正ロマンと呼ばれる日本文化と西洋文化がミックスされた大正時代のレトロな雰囲気を感じさせていて、国の有形文化財に登録されています。

帝国麦酒・大日本麦酒・日本麦酒・サッポロビールの商標

帝国麦酒は1912年、福岡県大里町(現 北九州市)に設立された九州初の本格的ビールメーカーで、商標は「サクラビール」です。国際港、鉄道の要所でもあった門司から国内外の需要は拡大し、最盛期の国内市場シェアは9%、国内第3位のビールメーカーでした。1929年以降、社名は桜麦酒と変更されます。しかし、ビール業界の厳しい市場競争、ビール原材料の不足、昭和時代初期(20世紀前半)の政府による経済統制の政策などによって、1943年、桜麦酒は大日本麦酒と合併しました。1949年、第二次世界大戦後の財閥解体によって「過度経済力集中排除法」が適用され、大日本麦酒は、日本麦酒と朝日麦酒(現アサヒビール)に分割されました。日本麦酒は、ニッポンビールのブランドでスタートしますが、麒麟麦酒や朝日麦酒との競争で苦戦し、ビール愛好家らの「サッポロビール」復活の願いもあって、1956年に北海道で復活、翌1957年には全国販売されました。1964年に社名を「サッポロビール」に変更しました。

※サッポロビールは、1886年、札幌麦酒醸造所として設立。1906年、市場競争の激化によって日本麦酒が経営危機に陥ったため、札幌麦酒と大阪麦酒(現 アサヒビール)と日本麦酒は合併して大日本麦酒になりましたが、一部の地域でサッポロビールのブランドは存族しました。1943年、経済統制によりビールの商標が禁止されてサッポロビールのブランドは一時消滅していました。

門司赤煉瓦プレイス(門司麦酒煉瓦館)

門司麦酒煉瓦館は、1913年、旧帝国麦酒の事務所棟として建築されました。塔屋付きの鉱滓(こうさい)煉瓦造の二階建てです。鉱滓とは、鉄を作る際にでる残滓(かす)のことで、官営八幡製鐵所が製造した鉱滓煉瓦を使用しています。日本では最初期の鉱滓煉瓦建物で、現存最古の本格的な鉱滓煉瓦建築です。

門司赤煉瓦プレイス旧醸造棟

一番大きな赤煉瓦の建物は”旧醸造棟”です。実際にビールを作っていた工場ですが、醸造棟内の大規模な仕込み設備は一般公開されていません。年に数回開催される特別公開では、ガイド付きで仕込み設備が見学できます。

門司赤煉瓦プレイス旧醸造棟(カフェ・ド・ブリック)

カフェ・ド・ブリックは、”旧醸造棟”の一角にあるダイニングバーです。店内は築100年の建物の赤レンガの壁と鉄骨の柱や梁を活かした空間です。店名のカフェ・ド・ブリックは、北九州市出身のイラストレーターわたせせいぞう氏が門司赤煉瓦プレイスを題材にした風景画4点のうち、秋のテーマ「煉瓦色の街」に描かれた架空の店舗に由来しています。

門司赤煉瓦プレイス(わたせせいぞう氏の陶板画)

門司赤煉瓦プレイスには、わたせせいぞう氏の陶板画が展示されています。門司港レトロ地区にある旧大阪商船ビル内にわたせせいぞう氏のギャラリーがあります。

門司赤煉瓦プレイス(大里海岸緑地)

大里海岸緑地は、門司赤煉瓦プレイスから国道199号線を渡ったところにある遊歩道です。関門海峡を眺めながらのんびりと散歩やジョギングを楽しむ人々の姿が見られます。

 

門司赤煉瓦プレイスまでのアクセス

羽田空港(東京)から北九州空港まで約1時間50分。北九州空港からJR小倉駅まで西鉄バスで約35分。

JR小倉駅からJR門司駅まで鹿児島本線で約5分。JR門司駅下車、徒歩すぐ。

JR新大阪駅からJR小倉駅まで新幹線で約2時間20分。

この記事を書いた人

どもども

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