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佐渡島宿根木(三角の家)のイラスト

佐渡島・宿根木集落

2020/12/30

大女優吉永小百合様もタイムスリップした佐渡島の「宿根木」の町並みをときどき迷いながら不思議な町を散策してみた。

新潟県佐渡島の南端にある宿根木は、江戸時代中期から明治時代にかけて北前船の寄港地として発展した小さな集落で、船主や船大工などの廻船業や造船業に携わる人々が暮らしていました。当時の面影は現在も色濃く残っていて、独特な雰囲気を醸し出している縦板張りの建物には廃船の材料が用いられています。船舶に使われる木材は耐久性が高く、雨風や塩害から家を守るには十分だったことが理由です。また、限られた土地を最大限に活かすために、総二階建ての建物にしたというのも宿根木の特徴で、集落全体で100棟あまりあります。1991年に新潟県では唯一、「国の重要伝統的建造物群保存地区」に指定されました。船主の邸宅である「清九郎の家」、船大工が住んでいた「金子家」、狭い形状に合わせて三角形に建てられた「三角家」の3軒が公開されています。

佐渡島宿根木「風除け竹垣(間垣)」のイラスト

海側から集落への入り口は、防風用の背の高い竹垣(間垣)が組まれていて、日本海の潮風から集落を守っています。日本海側の海沿いの集落に比較的見られる竹垣ですが、人が一人通れるだけの口が開いていて、入口の奥にある町並みは、まるでタイムスリップしたような錯覚に陥ってしまいます。

佐渡島宿根木「石置き木羽葺き屋根」のイラスト

高台から集落を見渡すと、薄く割った板を何枚も重ね、その上に石を置いた屋根が数多く見られます。これは「石置き木羽葺き屋根」といって、新潟県では宿根木と関川村にある渡邉邸でしか見られない珍しい屋根葺き技術です。

もともと木羽葺き屋根は、瓦葺き屋根が普及するまで日本の伝統的な屋根葺き技術として主流でした。石を置くのは、板が風で飛ばないようにするための日本海側特有の屋根の形です。

佐渡島宿根木「三角の家」吉永小百合のポーズをしているイラスト

宿根木のシンボル「三角家」です。女優吉永小百合さんが出演したJR東日本のテレビコマーシャルで一躍有名になりました。三角家は、土地の形にあわせて建てられた家で、船大工の知恵と技術が活かされています。

2006年まで住居として使用されていましたが、2012年から一般公開されるようになりました。

佐渡島宿根木「清九郎の家」オマエのイラスト

「清九郎の家」は江戸時代後期から明治にかけて北前船で財をなした船主の邸宅です。外観は縦板張りで質素な印象ですが、屋内はケヤキやヒノキなどの銘木も多用して、床板は柿渋塗り、それ以外の柱、梁、天井、建具に至るまで漆塗りという豪華な造りになっています。見どころは、1階の「オマエ」と呼ばれる吹き抜けの居間と、2階にある当時の庶民の家では贅沢とされた書院造りの床の間です。

佐渡島(千石船の里) 宿根木まつり「ちとちんとん」のイラスト

宿根木集落には「ちとちんとん」と呼ばれる伝統芸能があります。エロチックだけどコミカルな踊りを踊りながら、航海安全や子孫繁栄を祈願して神社に奉納します。近隣の羽茂地区には同系統の「つぶろさし」がありますが、「ちとちんとん」も「つぶろさし」も16世紀頃に佐渡島の南部を支配していた殿様(羽茂本間氏)の領地だけに伝わる珍しい伝統芸能です。毎年10月に行われる「宿根木まつり」で見ることができます。

 

宿根木までのアクセス

東京から

JR東京駅からJR新潟駅まで上越新幹線で約2時間。JR新潟駅から新潟港まで路線バスで約15分。

大阪から

伊丹空港から新潟空港まで約1時間。新潟空港から佐渡汽船新潟港ターミナルまで連絡バスで約25分。

佐渡汽船新潟港ターミナルから佐渡汽船両津港ターミナルまでジェットフォイルで約1時間、カーフェリーで約2時間30分。

 

両津港佐渡汽船バス停から佐和田バスステーションまで路線バス(本線)で約45分。佐和田バスステーションで路線バス(小木線)に乗り換えて宿根木バス停まで約1時間15分。

 

この記事を書いた人

どもども

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