伊坂プレス トラベルマガジン

アカウント作成 ログイン
LANGUAGE
ホーム > トラベルマガジン > 北海道 > 流氷の天使「クリオネ」

クリオネのイラスト

流氷の天使「クリオネ」

2021/03/24

流氷の天使「クリオネ」の悪魔のような捕食シーンが怖すぎる!頭が大きくパカッと割れてバッカルコーンが飛び出してくる!

北海道の東、オホーツ海沿岸の冬の風物詩といえば流氷です。「流氷と共にやって来て、流氷と共に去る」といわれるクリオネは、半透明で頭部と腹部が赤く、翼を広げてパタパタとはばたかせるようにして泳ぐ様子から「流氷の天使」や「流氷氷の妖精」などと呼ばれています。

クリオネの水槽

クリオネの学名は「クリオネ・リマキナ(Clione limacina)」です。クリオネは、ギリシャ神話に登場する海の女神の名前「クレイオ」に由来します。リマキナは、ラテン語で「ナメクジに似た」と訳されて、「ナメクジのような海の女神」の意味になります。和名は「ハダカカメガイ(裸亀貝)」といい、巻貝の仲間です。生まれた頃のクリオネは貝殻を持っていますが、成長するにつれて無くなります。水温は0℃から5℃が適温といわれていて、大きさは1cmから3cm程度と小さいです。左右に張った翼のような足(翼足)を羽ばたくようにして水中を泳ぎます。

クリオネがバッカルコーンを出してミジンウキマイマイを捕食する

流氷の天使」という可愛いい外見とは似合わずに肉食です。同じ貝類のミジンウキマイマイ(Limacina helicina)を見つけると、頭部からバッカルコーンと呼ばれる6本の触手を伸ばして捕食します。ミジンウキマイマイだけしか食べません。何も食べなくても一年程度は生きていることができるといわれていますが、その生態についてはまだはっきりと分かっていません。

オホーツク沿岸に打ち上げられた昆布に付着していたクリオネ

それまでクリオネは深海に生息していると考えられていましたが、1990年頃の冬、北海道網走市の海岸を歩いていた主婦が、夕晩のおかずとして拾って来た昆布にクリオネが付着していたのをオホーツク水族館(2002年閉館)に連絡して、水族館の職員がクリオネを採取するために海岸へ向かいました。海岸でもクリオネが採取できるとクリオネ採りのブームが起こりました。当時のオホーツク水族館の館長が「流氷の天使」と命名しました。

オホーツク流氷科学センターでクリオネが鑑賞できる

北海道紋別市の「オホーツク流氷科学センター」と網走市の「オホーツク流氷館」で、一年を通してクリオネの鑑賞ができます。

 

この記事を書いた人

どもども

記事にコメントするにはログインが必要です

ページのトップへ戻る