現代アートの島「直島」
直島では、どんな現代アートが堪能できるのか?時間がなくても絶対鑑賞しておきたい現代アート作品まとめ
直島は、香川県直島町に属する瀬戸内海に浮かぶ小さな島です。「現代アートの聖地」として知られていて、現代アートを鑑賞するために多くの若者や海外の人たちが訪れています。
直島のアプローチは船のみで、香川県と岡山県からフェリー・旅客船が運航しています。所要時間は、高松港(香川県高松市)から約1時間、宇野港(岡山県玉野市)から約 20 分です。フェリー・旅客船の便数は比較的多いです。観光シーズン中は混み合いますので、島内の移動は、町営バスまたはレンタサイクルでの移動が比較的スムーズでおすすめです。
フェリー・旅客船が発着する宮浦港から家プロジェクト・ANDO MUSEUMがある本村エリアを経由して、バス停「つつじ荘」まで町営バスが運行しています。つつじ荘の近くには「南瓜」が展示されています。つつじ荘からは、「ベネッセアートサイト直島」の場内シャトルバスに乗り換えて、地中美術館に行くことができます。宮浦港から地中美術館までバスの乗換えを含めて30分程で到着します。家プロジェクト・ANDO MUSEUMへは、つつじ荘行き町営バスに乗車して、バス停「農協前」で下車します。
ベネッセアートサイト直島とは?
「ベネッセアートサイト直島」は、「直島」と「豊島(てしま)」(香川県)、「犬島」(岡山県)を舞台にベネッセホールディングスと福武財団が1985年から瀬戸内海で展開しているアート活動の総称です。美術館の屋内施設だけに作品が置かれているのではなく、島内全体に作品が置かれていて、島全体が美術館のようになっています。瀬戸内の美しい風景と調和した現代アートが、島内のいたるところに点在しています。ちなみに、三年に一度開催されている「瀬戸内国際芸術祭」は、ベネッセアートサイト直島と香川県が中心となって行われているイベントです。直島をはじめ小豆島、女木島など備讃瀬戸の12の島々と高松港・宇野港の二つの港で、現代アートの作品展示のほか、アーティストや劇団などによるイベント、地元の伝統芸能と連携したイベントで構成されています。
以下は、時間がなくても直島に訪れたら絶対に鑑賞しておきたい現代アート作品や訪れてみたい観光スポットを紹介しています。
ベネッセハウス
「ベネッセハウス」は、現代アートの美術館とホテルが一体となった施設です。建築家 安藤忠雄が設計して、建物そのものが作品となっています。ベネッセハウスには、絵画、彫刻、写真、インスタレーションなどの作品展示のほか、アーティストたちがベネッセハウスのために制作したサイトスペシフィックな作品が恒久設置されています。自然とアートと建築物が融合した作品が鑑賞できます。ベネッセハウスミュージアムの開館時間は8時から21時(最終入館20時)まで。
地中美術館
「地中美術館」は、瀬戸内の美しい景観を損なわないように美術館の大半が地下に埋設されています。ベネッセの創業家 福武聰一郎が、クロード・モネの「睡蓮の池」を購入したことがきっかけで、「睡蓮」シリーズを展示するために構想・建設された美術館です。安藤忠雄が設計しました。館内は、クロード・モネの「睡蓮」シリーズの5点が、地下内でありながら自然光で鑑賞できる「モネ室」、ジェームズ・タレルの作品を集めた「タレル室」、地下3階から地上までの吹き抜けを利用した「デ・マリア室」の3棟で構成されています。建設にあたっては、アーティスト本人やキュレーター、建築家が意見を交わしあったことで、地中美術館以外では見られない、建物全体がサイトスペシフィックな作品として機能した美術館となっています。また、駐車場から地中美術館のアプローチの間には、クロード・モネが自ら造園した「ジヴェルニーの庭」を模した庭園「地中の庭」もあります。地中美術館の開館時間は10時から18時(最終入館17時)まで。冬季の閉館時間は1時間繰り上げ。月曜日は休館。祝日の場合は開館、翌日休館。
赤かぼちゃ・黄かぼちゃ
直島には、現代アートを代表するアーティスト 草間彌生の水玉模様が施された大きな「赤かぼちゃ」と「南瓜(黄かぼちゃ)」が屋外展示されています。宮浦港にある「赤かぼちゃ」は、作品の中が空洞になっているので、内部に入ることができて、いろいろな記念撮影も楽しめます。「南瓜(黄かぼちゃ)」は、ベネッセハウスの周辺エリアにあり、直島のランドマーク的な作品となっていいます。宮浦港から「南瓜(黄かぼちゃ)」までは町営バスを利用して15分程度で行くことができます。「南瓜(黄かぼちゃ)」は、海に突き出た桟橋に常設展示されていますが、荒天時には数人がかりで安全な場所まで移動させて、嵐が過ぎ去るまで保管しています。
家プロジェクト
「家プロジェクト」は、本村エリアにおいて展開されているアートプロジェクトです。1998年に始まったこのプロジェクトは、現在7軒が公開されています。7人のアーティストたちが、300年ほど前から栄えていた古い町並みに点在する空き家などを改修・改造して、空間そのものを現代アート作品に変えてしまおうという試みです。「角屋」「南寺」「護王神社」「はいしゃ」「碁会所」「石橋」「ぎんざ」と呼ばれる7軒の建築、およびそれを利用したインスタレーション作品によって構成されていて、「ぎんざ」以外は、共通チケットで鑑賞できます。家プロジェクトの開館時間は10時から16時30分(最終入館16時15分)まで。月曜日は休館。祝日の場合は開館、翌日休館。「ぎんざ」の開館は金・土・日曜日・祝日のみ。ざっくりな観光でも最低2時間は必要です。「南寺」は鑑賞の仕組み上、入館できる人数が限られていて、整理券が配布されます。
直島銭湯「I♥湯」
「直島銭湯「I♥湯」」は、実際に入浴しながら作品を鑑賞するという美術施設です。宮浦港から徒歩で2分。国内外から訪れる来島者と島民の交流の場にもなっています。開館時間は13時から21時(最終受付20時30分)まで。月曜日は休館。祝日の場合は開館、翌日休館。
直島パヴィリオン
「直島パヴィリオン」は瀬戸内国際芸術祭の作品です。直島町は27の島々から構成される町ですが、その28番目の島というコンセプトで制作されました。三角形のステンレス製メッシュが約250枚で構成されていて、内側にも入ることができます。夜はライトアップされて幻想的です。「赤かぼちゃ」の近くに設置されています。
恵美須神社鳥居
「恵美須(えびす)神社の鳥居」は、琴弾地(ごたんぢ)海水浴場の砂浜に半分ほど埋まった鳥居です。草間彌生の「南瓜(黄かぼちゃ)」が近くにあるので、鳥居もアート作品と勘違いする人がいますが、漁業・海の神様が通るといわれるリアルな鳥居です。鳥居が埋まってしまった理由は分かっていません。
直島へのアクセス
直島は香川県の島ですが、距離は岡山県玉野市の宇野港からが最短です。
【電車】
JR東京駅からJR岡山駅まで新幹線で約3時間20分。 ※JR新大阪駅からJR岡山駅まで新幹線で約50分。
JR岡山駅からJR茶屋町駅まで約15分。JR茶屋町駅で乗り換え、JR宇野駅まで約25分。JR宇野駅下車、宇野港まで徒歩約5分。宇野港から直島まで定期船で約20分。
【飛行機】
羽田空港から岡山桃太郎空港まで約1時間20分。岡山桃太郎空港からJR岡山駅までリムジンバスで約30分。
羽田空港から高松空港まで約1時間15分。高松空港からJR高松駅までリムジンバスで約40分。JR高松駅から高松港まで徒歩5分。高松港から直島までフェリーで約50分。高速旅客船で約30分。
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