山形県遊佐町の観光スポット
山形県の北西端の遊佐(ゆざ)町は、秋田県との県境にそびえる鳥海山(標高2237m)の南西麓に位置しています。町のあちこちで鳥海山の伏流水が湧き出ているので、「湧水の里」と呼ばれています。鳥海山や鳥海山の湧水に関連した観光スポットがとても多いです。
<丸池様>
「丸池様」は、水面がコバルトブルーに輝く神秘的な池で、直径20m、水深5m、鳥海山からの湧水だけで満たされていて、池の中にある倒木もしっかり見えるほどの透明度です。昔から池そのものが信仰の対象とされてきたので「丸池様」と呼ばれています。
丸池様のすぐ近くにある「牛渡川(うしわたりかわ)」は、鳥海山からの伏流水があちこちから湧き出ている川です。透明度が抜群で、清流にしか繁茂しないという「梅花藻(バイカモ)」という水草が見られます。秋には鮭が遡上します。
<アマハゲ>
「アマハゲ」は、遊佐町の吹浦(ふくら)地区に伝わる正月の伝統行事です。秋田県の「なまはげ」とよく似た神事です。アマハゲは、蓑をまとった鬼の姿をした神様で、怠け者を戒めるために地域の各家庭を訪問します。ユネスコの無形文化遺産に登録されています。
<十六羅漢岩>
「十六羅漢岩」は、吹浦地区にある禅寺の僧侶が、1864年から5年の歳月をかけて、日本海の荒波で命を落とした漁師の供養と海上安全を願って海岸の岩場に22体の磨崖仏を造立したものです。羅漢とは、仏教の聖者のことです。
<三崎公園>
山形県と秋田県の県境にある「三崎公園」には、江戸時代の俳諧・松尾芭蕉が歩いた旧三崎山街道が遺っています。三崎公園は『奥の細道』の風景地として国の名勝に指定されています。
<旧青山本邸>
「旧青山本邸」は、遊佐町の貧しい漁師の家に生まれた青山留吉が、北海道のニシン漁で巨万の富を築いて建てた邸宅です。邸内には、青山家の繁栄を物語るたくさんの文化遺産が展示されていて、明治時代の特徴的な建築様式をよく残すものとして国の重要文化財にも指定されています。
<鳥海ブルーライン>
「鳥海ブルーライン」は、鳥海山の五合目(標高1100m)まで一気に駆け上る全長約35km の山岳道路です。ドライブしながら日本海の青い海や庄内平野の眺望を楽しむことができます。
<神泉の水>
「神泉の水(かみこのみず)」は、女鹿(めが)集落にある湧水を利用した水場です。水場は6つに仕切られていて、上のほうから飲料水、米研ぎや野菜洗い、洗濯、おしめ洗いなど、用途別に決まっています。洗濯や野菜洗いをしながら集落の井戸端会議の場にもなっています。
<飽海三名瀑>
鳥海山の豊富な水源により遊佐町には数多くの滝があります。一ノ滝・二ノ滝の付近はブナ林に囲まれた緑豊かな渓谷が広がっていて、観瀑台やハイキングコースも整備されています。二ノ滝は落差が19mあって「飽海(あくみ)三名瀑」のひとつです。
「胴腹滝(どうはらのたき)」は、一ノ滝、二ノ滝に向かう途中にあります。鳥海山の伏流水が山腹から滝のように湧き出ていています。おいしい水を求めて、大きな水タンクやペットボトルを持った人々が年間を通してたくさん訪れています。
<映画『おくりびと』の椅子>
遊佐町にある月光川河川公園は映画『おくりびと』(2008年公開)のロケ地です。主人公の大悟が鳥海山をバックにチェロを奏でるシーン、大悟が美香に石文を手渡すシーンが撮影されました。河川の土手には、チェロを弾いたシーンをイメージした椅子が置いてあります。『おくりびと』は第81回アカデミー賞の外国語映画賞などを受賞しました。
遊佐(吹浦)までのアクセス
【鉄道】
JR東京駅からJR新潟駅まで上越新幹線で約2時間。JR新潟駅でJR白新線・羽越本線(特急列車)に乗り換え、JR遊佐駅まで約2時間20分。JR遊佐駅で羽越本線(普通列車)に乗り換え、JR吹浦駅まで約5分。
【飛行機】
羽田空港から庄内空港まで約1時間。庄内空港からJR酒田駅まで連絡バスで約40分。JR酒田駅からJR吹浦駅まで約20分。
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