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流氷とガリンコ号のイラスト

オホーツク海の流氷

2021/03/19

一度は見ておきたい絶景スポット!大自然の神秘オホーツ海の流氷を訪ねて北海道に行ってみた!

北海道の北東、冬のオホーツク海の沿岸は流氷が見られることで有名で、北海道は北半球で最も南で見ることができる「流氷の南限」です。沿岸からは、毎年1月中旬から流氷を見ることができて、1月下旬から3月上旬が最シーズンです。オホーツ海沿岸の紋別、網走、知床の各地域では、さまざまな流氷アクティビティが楽しめる体験ツアーが用意されています。

オホーツク海の流氷分布図

オホーツク海は、千島列島、カムチャツカ半島、ユーラシア大陸、樺太などに囲まれていて、まるで閉ざされた海ようになっています。そこにロシアのアムール川から淡水が流れ込むので、海面と海底では塩分濃度が違う海水の層ができあがっています。

流氷のメカニズム図

水は0℃で凍ります。海水は塩分があるので凍りにくいですが、海水温度がマイナス1.8℃まで下がると凍りはじめます。オホーツク海の海面付近の海水は塩分濃度が低く、そこにシベリアからマイナス40℃にもなる冷たい風(北西の季節風)が吹きつけると、塩分濃度の低い海水は急速に凍っていきます。この塩分濃度の低い海水の層は、海面から50mの深さがあるといわれています。こうしてオホーツク海は、特殊な地形と塩分濃度が低い海水、シベリアからの冷たい風などの条件が揃って、毎年、流氷が北海道に押し寄せてきます。

ちなみに、海水が凍ってできた氷は海氷といいます。専門的には、海に漂う海氷を流氷と呼び、接岸して動かない海氷を定着氷と呼んで区別していますが、一般用語として、海の氷すべてを流氷と呼んでいます。

オホーツク海の食物連鎖図

流氷には、たくさんの植物プランクトンが付着していて、春になり、日射量が増えると植物プランクトンが光合成をおこなって大量に増えます。それをエサとする動物プランクトンのオキアミやクリオネなどが集まり、オキアミなどを食べる小さな魚も集まって来ます。さらに小さい魚を食べる大きな魚も集まって、オホーツク海は世界でも稀な豊穣な海となっています。

羅臼沖でホエールウォッチングしているイラスト

ちなみに、豊穣なオホーツク海の初夏は、流氷が溶けるとともに、マッコウクジラ、ミンククジラ、シャチなどの鯨類がエサを求めてやって来るので、根室海峡では、ホエールウォッチングが楽しめます。

紋別港から就航している砕氷船「ガリンコ号」と網走港から就航している砕氷船「おーろら」の比較図

砕氷船に乗って流氷観察ができます。紋別から「ガリンコ号」が、網走から「オーロラ号」(「おーろら」)が就航しています。ガリンコ号は、船首に装備したドリルで氷を砕きながら前進する砕氷船で、オーロラ号は、船首部分を流氷に乗り上げながら船の自重で氷を砕いて前進する砕氷船です。

オホーツク流氷科学センターのクリオネ水槽のイラスト図

紋別市にある「オホーツク流氷科学センター(GIZA)」は、「流氷」をテーマにした科学館です。本物の流氷や流氷の天使「クリオネ」が通年で展示してあります。クリオネの飼育展示数は日本一です。

オホーツク流氷館でシバレ体験しているイラスト

「オホーツク流氷館」は、網走市にある「オホーツク海と流氷」をテーマにした科学館です。クリオネなどのオホーツク海の不思議な生き物たちを飼育展示しているほか、濡れたタオルを振り回して棒のように凍らせる名物の「シバレ体験」ができます。

知床半島のウトロで流氷ウォークしているイラスト図

世界自然遺産の地域である知床のウトロでは、ドライスーツを着用して流氷の上を歩いたり、流氷と一緒に海に浮かんだりと、冬の知床を満喫できる「流氷ウォーク」が体験できます。

羅臼沖で流氷とバードウォッチングしているイラスト図

知床半島の羅臼の前に広がる根室海峡は、流氷がやってくる北半球の最南端の海で、天然記念物のオオワシやオジロワシも越冬のためにやって来ます。羅臼港から出港する流氷クルーズ船でオオワシやオジロワシのバードウォッチングが楽しめます。

 

この記事を書いた人

どもども

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