佐渡島の伝統芸能 鬼太鼓
鬼太鼓は江戸時代から佐渡島で活動しているドラム&ダンスユニットです。強面な鬼のマスクや怪しげな老人のマスクを被りながらパフォーマーがダンスをするとファンは幸せになれる。
新潟県の佐渡島に伝わる鬼太鼓は,「おんでこ」と呼ばれていて、五穀豊穣・家内安全・無病息災・商売繁盛などを祈りながら集落の家々を一軒一軒回って厄を払う(悪魔を払う)神事芸能です。鬼太鼓の起源は定かではありませんが、鬼太鼓は「能楽」の影響を受けているといわれ、その能の舞い方に太鼓のリズムをつけ、さらに独特の振り付けが足されて現在の鬼太鼓の形が完成したといわれています。佐渡島には日本にある能舞台の三分の一の数があるほど能楽が盛んな地域です。現在は、120前後の集落で受け継がれていて、集落ごとに鬼の舞い方や太鼓のリズムが異なりますが、鬼太鼓を大きく分けると、相川系、国仲系、前浜系などに分けられます。
相川系は、翁の面を付けて、烏帽子を被り、素襖姿の「豆まき」と呼ばれる演者が、升を持って太鼓のリズムに合わせて舞います。なすびを持ったり、升の代わりに大きな張形を持ったりして舞う「豆まき」もいます。鬼は登場しないか、登場しても薙刀などを持っているだけであまり舞うようなことはしません。獅子が登場する集落もあります。
国仲系は、佐渡島内で最もよく見られる鬼太鼓で、観光イベントでも披露される鬼太鼓です。江戸時代に潟上集落の人が国仲エリアの他の集落の人たちにも鬼太鼓を教えてそれが広まったといわれているので、潟上系と呼ばれることもあります。裏打ち太鼓のリズムに合わせて、大きな太鼓を二匹の鬼がカラダを震わせて、髪の毛を振り乱しながら交互に太鼓を打ち鳴らします。この太鼓の打ち方は「しだら打ち」と呼ばれていて、見るものを圧倒させます。集落によっては獅子が登場して鬼とかけあいます。
前浜系は、二匹の鬼が向かい合って舞い、太鼓のほか笛も加わります。ロウソ(老僧の意)と呼ばれる進行役が、門付*で受け取った祝儀(金品)を披露したり、面白おかしく口上を述べたりして、祭の雰囲気を盛り上げるのが特徴です。
*門付とは、人家や商店の門口に立って歌や踊りなどの芸を見せて、報酬を受ける芸能のこと
近年の鬼太鼓の研究では、従来の三系統以外に舞い方の特徴によって「一足系」「花笠系」を加えた五系統にする場合があります。一足系は、太鼓のリズムに合わせて鬼が片足跳びをするように舞うのが特徴です。江戸時代の佐渡金山で鉱夫たちが踊っていたという鬼太鼓です。花笠系は、子供達による花笠踊り(花を飾り付けた円錐形の帽子を被った伝統的な踊り)、三匹の鹿踊り(鹿面を付けた伝統的な踊り)と共に一匹の鬼がしとやかに舞うことから「鬼の舞」と呼ばれています。
新潟本土との対岸、小佐渡山脈の麓の地域では、鬼太鼓以外にも五穀豊穣・家内安全・無病息災などを祈りながら大獅子が集落内を練り歩きます。大獅子に頭を噛まれると厄払いになり、無病息災で暮らせるという言い伝えがあります。獅子頭は大人の上半身が入るぐらいの大きさで、胴幕には15人から20人ぐらいの人たちが入ります。
佐渡島までのアクセス
東京から
JR東京駅からJR新潟駅まで上越新幹線で約2時間。JR新潟駅から新潟港まで路線バスで約15分。
大阪から
伊丹空港から新潟空港まで約1時間。新潟空港から佐渡汽船新潟港ターミナルまで連絡バスで約25分。
佐渡汽船新潟港ターミナルから佐渡汽船両津港ターミナルまでジェットフォイルで約1時間、カーフェリーで約2時間30分。
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