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長良川の鵜飼

長良川の鵜飼

2021/12/19

織田信長も徳川家康も松尾芭蕉もチャップリンも絶賛した長良川の鵜飼は岐阜県の岐阜市と関市の二か所で行われています。

岐阜県の長良川では、毎年5月11日から10月15日まで、1300年以上続く伝統漁法の鵜飼が行われています。岐阜市で行われる鵜飼は「長良川鵜飼」と呼ばれ、関市で行われる鵜飼は「小瀬鵜飼」と呼ばれています。

長良川鵜飼と小瀬鵜飼は、日本で唯一皇室御用の鵜飼で、長良川の宮内庁の御料場(管理地)で毎年行われる8回の鵜飼は「御料鵜飼」と呼ばれていて、獲れた鮎は皇室や伊勢神宮に納められます。

長良川の鵜飼

長良川の鵜飼(御料鵜飼)のイラスト

長良川の鵜飼は、律令時代(7世紀後半)から皇室の直属で漁をしていた記録が残っています。平安時代(8世紀)から天皇や皇族、公家・武家などによって鵜飼見物が行われるようになり、江戸時代(17世紀)では、尾張徳川家の保護によって鵜飼が続けられてきました。

しかし、明治維新(1868年)後は、権力者からの保護も無くなって鵜飼が消滅の危機に瀕すると、1890年、当時の岐阜県知事の要請を受けて、宮内省は長良川の鵜飼を保護するために、鵜匠(鵜を操る人)に職員の身分を与え、長良川に御料場を設置して「御料鵜飼」として鵜飼が継続されることになりました。

現在、長良川鵜飼と小瀬鵜飼の鵜匠は、「宮内庁式部職鵜匠」と呼ばれる国家公務員で、岐阜市に6人、関市に3人いて、すべて世襲制になっています。長良川の鵜飼用具一式122点は国の重要有形民俗文化財、長良川の鵜飼漁法は岐阜県指定重要無形民俗文化財に指定されています。

チャップリンも絶賛した鵜飼

長良川の鵜飼(松尾芭蕉とチャップリン)のイラスト

毎年5月11日から10月15日の間、長良川鵜飼と小瀬鵜飼では、屋形船に乗って鵜飼観覧ができます。鵜を操る鵜匠の手縄さばきや鮎を捕る鵜の様子を近くで楽しむことができます。江戸時代、長良川に訪れた松尾芭蕉は、「おもしろうて やがて悲しき 鵜舟かな」(鵜が次々と鮎を捕る様子はとても面白い。楽しい時間が終わると、寂しい気持ちになる)の俳句を詠みました。また、世界の喜劇王として有名なチャーリー・チャップリンは、4回来日して、そのうち2回は長良川で鵜飼を観覧しています。屋形船で食べた天ぷらが美味しかったらしく、それ以来、チャップリンは天ぷらが大好物になりました。

小瀬鵜飼

小瀬鵜飼と屋形船のイラスト

「小瀬鵜飼」(関市)は、「狩り下り」と呼ばれる鵜匠が乗る鵜舟と観光客が乗る屋形船が並走しながら長良川を下る、伝統的な川魚漁としての鵜飼が観覧できます。周辺は山の中で照明は無く、明かりは篝火、ろうそくの灯りのみ。鵜舟と屋形船ともに動力を持たない手漕ぎ船なので、静寂の中、櫓(ろ)と櫂(かい)の音が幻想的な雰囲気を醸し出しています。

ぎふ長良川鵜飼

ぎふ長良川鵜飼と屋形船のイラスト

「長良川鵜飼」(岐阜市)は、長良橋の上流付近で行われます。鵜飼の開始の合図として花火が上がります。鵜飼は屋形船を川岸に留めて目の前を鵜舟が通る「付け見せ」、あるいは鵜舟と屋形船が並走して川を下る「狩り下り」が観覧できるほか、6隻の鵜舟が横隊になって鮎を追い込む「総がらみ」が観覧できます。屋形船に乗らなくても長良橋付近の「長良川プロムナード」から観覧できますが、迫力のある鵜飼を近くで観覧したいなら屋形船がおすすめです。

長良川うかいミュージアム

長良川うかいミュージアム(巨大な鵜のオブジェ)のイラスト

金華山の頂上にそびえ立つ岐阜城(岐阜市)の対岸、長良川のほとりに「長良川うかいミュージアム」(長良川鵜飼伝承館))があります。鵜飼を観覧する前に「長良川うかいミュージアム」で鵜飼に関する知識を深めると、より一層鵜飼が楽しめます。館内の大きな鵜のオブジェが印象的です。

鵜飼の里

鵜飼の里(鵜匠の家)のイラスト

長良川の右岸、「長良川うかいミュージアム」の近くに「鵜飼の里」と呼ばれる鵜匠たちが生活するエリアがあります。鵜匠たちは「鵜飼の里」で鵜の世話をしています。鵜匠たちの家の庭先には、篝火で使う薪が積み上げられ、鵜や鵜飼で使う道具も見学できます。

 

この記事を書いた人

どもども

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