ドッコ沼
夏の暑さが耐えられない山形県ですが、ドッコ沼はまるで避暑地のようです。
蔵王温泉スキー場(山形県山形市)からロープウェイで「鳥兜山(とりかぶとやま)」(標高1387m)を登ると標高1300m台の高原が広がっています。麓とは気温が10℃以上も違うので、 真夏でもひんやりとした空気が漂う避暑地になっていて、鳥兜山を起点として湖沼群などを一巡する「蔵王中央高原散策路」が整備されています。この中央高原を一周する「散策コース」に加えて、「ドッコ沼コース」や「不動滝コース」などのハイキングコースもあるので、1時間から3時間ほどの散策が楽しめます。アップダウンも少ないので初心者や観光客にもおすすめです。
<鳥兜山の由来>
蔵王中央ロープウェイは、蔵王温泉にある温泉駅と鳥兜駅の間を約7分で運行しています。ゴンドラは101人乗りの大型ゴンドラで、蔵王温泉街や山形盆地を眺めながら鳥兜山の山頂まで登ります。鳥兜山の名前の由来は、山容が舞楽や神事芸能で用いる装束で、鳳凰の頭をモチーフにした「鳥兜」という被り物に似ていることから名付けられました。鳥兜山の展望台からは、麓の蔵王温泉街を一望できるほか、空気の澄んだ快晴の日には、月山や朝日山地の大朝日岳、飯豊(いいで)山地の大日岳、吾妻山地の西吾妻山と山形を代表する山々が一望できます。
<蔵王中央高原の見どころ>
ドッコ沼コース
鳥兜山からドッコ沼(標高1264m)まで、なだらかな坂を下りて行くだけなので、蔵王中央高原(「ドッコ沼コース」)を気軽に散策することができます。ドッコ沼まで15分程度です。時間がない人や体力に自信がない人は、鳥兜駅からリフトで乗り継ぎすることができるので、ドッコ沼まで5分程度で行くこともできます。ドッコ沼は、エメラルドグリーンの沼面がとても綺麗です。沼畔にはベンチやテーブルが設置されているので、ランチを食べたり、景色を眺めたりしながら休憩ができます。
ドッコ沼の名前の由来は、昔、この沼に棲んでいた竜を鎮めるために、僧が「独鈷(とっこ)」という仏具を沼に投げ入れたことから「ドッコ沼」と呼ばれるようになりました。現在、この竜は水神としてドッコ沼に祀られています。
不動滝コース
不動滝まではドッコ沼からブナ林の中を30分ほど歩いて行きます。「不動滝コース」は登山道です。登山の装備をオススメします。不動滝には、平安時代(11世紀)末、進軍中の源義家が不動明王(仏教の神様)を祀ったという伝承があって、それが不動滝の名前の由来です。ちなみに、鎌倉幕府を開いた源頼朝は、源義家の5代目の子孫に当たり、室町幕府を開いた足利尊氏は、源義家の10代目の子孫に当たります。
蔵王中央高原散策コース
トレッキングを楽しみたい人は、蔵王中央高原を一周する「散策コース」がオススメです。鳥兜山→紅葉峠→パラダイス十字路→片貝沼→うつぼ沼→三郎岳→五郎岳→ドッコ沼→鳥兜山を散策する約3時間のコースです。アップダウンは少ないです。
蔵王中央高原には「幸せを呼ぶ」という3つの鐘があって、鳴らすと良いことがあるといわれています。鳥兜山に「開運の鐘」、パラダイス十字路に「愛の鐘」、ドッコ沼の付近に「健康の鐘」があります。
蔵王温泉は松竹映画『銀嶺の王者』(1960年公開)のロケ地です。トニー・ザイラーは、もともとオリンピックのスキー選手で、この映画に出演するにあたって蔵王温泉に長期間滞在して、蔵王温泉スキー場の魅力を世界に広めた人でした。「トニー・ザイラー顕彰碑」は、トニー・ザイラーの亡き後、哀悼とその功績を称えて建てられました。パラダイス十字路の付近に「トニー・ザイラー顕彰碑」があります。
ドッコ沼までのアクセス
【鉄道】
JR東京駅からJR山形駅まで山形新幹線(東北新幹線山形行)で約3時間。
【飛行機】
羽田空港から山形空港まで約1時間。山形空港からJR山形駅まで連絡バスで約40分。
JR山形駅から蔵王温泉バスターミナルまで路線バスで約40分。蔵王温泉バスターミナル下車、蔵王中央ロープウェイ・温泉駅まで徒歩約5分。蔵王中央ロープウェイ・温泉駅から蔵王中央ロープウェイ・鳥兜駅まで約8分。蔵王中央ロープウェイ・鳥兜駅下車、ドッコ沼まで徒歩約15分。
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