ヒスイ海岸とフォッサマグナミュージアム
「ヒスイ海岸」でヒスイの探し方教えます!拾った石コロはフォッサマグナミュージアムの石コロ先生が無料鑑定してくれる!
新潟県糸魚川市にある海岸は「ヒスイ海岸」の愛称で親しまれています。糸魚川市内を流れる姫川や青梅川の山域は日本最大のヒスイの産地なので、上流から運ばれてきたヒスイを海岸で拾うことができるからです。(姫川や青梅川の山域は国の天然記念物に指定されているのでヒスイの採取は禁止されています)
糸魚川市にある海岸は砂浜ではなく砂利や小石の海岸です。海岸にはヒスイのほか、サファイアやルビーなどの原石も落ちていることがあるようです。
ユーラシアプレートと北アメリカプレートがぶつかり合う断層帯に糸魚川があります。この断層帯を「糸魚川静岡構造線」と呼んでいます。また、ユーラシアプレートと北アメリカプレートがぶつかり合って大地が落ち込み、この大きく落ち込んだ地溝帯を「フォッサマグナ」と呼んでいます。ラテン語で「大きな溝」という意味です。長い年月をかけてフォッサマグナに土石や火山のマグマが堆積して現在の日本列島の形が出来あがりました。
フォッサマグナの西端である糸魚川静岡構造線の上に糸魚川が位置しているので、鉱物の種類がとても豊富で、海岸に落ちている石の種類は日本一多いといわれています。糸魚川市は「日本一の石ころタウン」を宣言しています。
夏になると親不知海岸、糸魚川海岸、青海海岸、市振海岸は、海水浴客でとても賑わいますが、「糸魚川ジオパーク」を構成する重要な海岸になっています。
糸魚川市の姫川の近くに、およそ7000年前から5000年前の縄文時代前中期の遺跡「長者ケ原遺跡」が発見されています。北陸で最大級の集落跡で、この遺跡の中からヒスイのペンダントなどが出土しました。現在は「長者ケ原遺跡公園」として整備されていて、公園内にある「長者ケ原遺跡考古館」には出土品が展示されています。また、縄文時代の「竪穴住居(たてあなじゅうきょ)」も復元されています。「フォッサマグナミュージアム」まで徒歩5分くらいです。
昭和のはじめ頃まで、日本ではヒスイが産出されないと考えられていて、遺跡から出土されるヒスイは大陸からもたらされたと考えられていました。
ところが、糸魚川市出身の歌人、相馬御風(そうまぎょうふ)は、『古事記』の「奴奈川姫(ぬなかわひめ)の結婚」の話、『万葉集』の「底なる玉」の歌、糸魚川に伝わる「奴奈川姫の伝説」などから糸魚川でヒスイが産出されると考えて、姫川周辺を探索した結果、1938年にヒスイが発見されました。
日本神話によれば、奴奈川姫は、北陸地方(福井県、石川県、富山県、新潟県)を支配する女性の神様で、古くから糸魚川周辺の多くの神社で祀られています。ちなみに奴奈川姫は、大国主命と結婚して建御名方神(タケミナカタ)を産みました。建御名方神は姫川をさかのぼって長野県の諏訪に入って、諏訪大社の祭神になりました。
また、海望公園をはじめ、糸魚川市のいたるところで奴奈川姫のモニュメントが見られます。
糸魚川は世界有数のヒスイの産地です。道の駅「親不知ピアパーク」内の「翡翠ふるさと館」では、糸魚川で産出された世界最大102トンのヒスイ原石が展示されています。
フォッサマグナミュージアムでは、糸魚川の周辺地域から産出される鉱物、化石、岩石などが展示されています。日本列島ができる時に大地が大きく落ち込んでしまった「フォッサマグナ」や地球の進化などの展示も行われています。また、地震・火山・地滑りなど人々の暮らしに脅威となる自然災害についても学習ができる博物館です。ヒスイ海岸で拾った石の鑑定もできます。
フォッサマグナパークは、「糸魚川静岡構造線」の断層を実際に見ることができる公園です。西側が約4億年前のユーラシアプレートの地層で、東側は大きく落ち込んだ北アメリカプレートの上に土石が堆積してできた約1600万年前の地層です。1600万年以前は日本海と太平洋は繋がっていました。
フォッサマグナミュージアムで学習してから、フォッサマグナパークで実地見学するのがおすすめです。
翡翠園は、約70トンのコバルトヒスイの原石がある本格的な日本庭園です。松林を背景に三つの滝、池、小川で構成されています。ヒスイの原石をはじめ、たくさんの石を使用した珍しい日本庭園です。
ヒスイ海岸までのアクセス
JR東京駅からJR糸魚川駅まで北陸新幹線で2時間20分。
JR大阪駅からJR敦賀駅まで特急列車で1時間30分。JR敦賀駅からJR糸魚川駅まで北陸新幹線で約50分。
JR糸魚川駅から越後トキめき鉄道・えちご押上ひすい海岸駅まで約2分。越後トキめき鉄道・えちご押上ひすい海岸駅下車、ヒスイ海岸まで徒歩約5分。
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